本記事では、TOEIC 950、英検1級を取っている筆者が英検1級の面接に1発で合格した体験を書きます。
受験のきっかけや1次試験の成績
本題ではないですが、面接に挑むまでの純粋な実力ということで書きます。本題が読みたい人は次に飛んでください。
TOEICではじめて900点(当時930)を超えたので、もしかしたら英検1級も行けるのではないかと思い、一念発起しました。
単語がめちゃくちゃむずいと聞いていたので、単語だけを3か月ほど勉強しました。長文、ライティングは過去問3回のみで、TOEICのスキルをそのまま使いまわすことにしました。
リスニングは過去問3回に加えて、キルミーベイベーの英語版を見て遊んでました。(実はTOEICのリスニングでまぐれなのか、495点満点を取ったのはこの前後、英検1級1次試験の1週間前です)
結果(正解率):
リーディング:70%弱
リスニング :ほぼ70%
ライティング:70%ちょい
という結果でCSEスコア2034(合格点:2028)でギリギリ突破しました。
やっぱ対策が少ないと苦戦しますね。1級はどの試験でも簡単にはいきません。
2次試験(面接)
本題です。
1次試験合格後の対策
旺文社の「14日でできる!英検1級二次試験・面接 完全予想問題」を使い、スピーチのテーマの背景知識・一般教養等の勉強およびスピーチの論理、構成の組み立てかたの練習をしました。後者は1次試験のライティングでも鍛えられました。
英語を話すこと自体は大学時代に英語を話す授業を取りまくったのと、職場で英語研修を受けていたのであまりしていません。勉強期間は文字通り14日。
当日(準備時間)
年齢と希望受験地により、B日程で受験。男性女性がだいたい半分ずつ。B日程なので全員成人。年代は20-50代でバランスよくいたと思います。若干20代が多め。スーツの人はほとんどおらず、ほぼ全員私服。
準備時間に、1-5の通信簿方式の評価シート2枚(←面接委員がネイティブと日本人の2人分)に必要事項を記入。待機中は「14日でできる」、「面接大特訓」、自作ノートを見ている人、または静かに心を落ち着かせている人が多かったです。
待機室から出ると、面接部屋の前に椅子が3つくらいあってそこに順番に座ります。
声がかすかに部屋から漏れる中、静かに待機します。
準備時間と待機時間のほうが面接本番よりずっと長いです。
2次面接本番
自己紹介、簡単な会話
僕「名前、年齢、勤務先、職業職種、仕事内容」
ーーー面接委員の反応と共に会話ーーー
面「ここまでどうやって来たか」
僕「電車で1時間、〇〇駅から最寄り駅まで」
面「趣味や暇な時間にやっていることは」
僕「ゲーム、スマブラ(Super Smash Bros.)」
人間が採点するので、これが意外と侮れません。英検準1級だと採点対象。英検1級は分かりませんが、発音や文法、あとは第一印象をよくする点で大切だと思います(個人的な主観)。
難しい表現や単語は必ずしも必要ありません。中学英語でも合格は可能です。ソースは僕。
非常にいい感じにできたと思います。
トピック選択
5択。ちんぷんかんぷんなトピックが複数ありましたが、その中に14日でできる!で質問文や用語は全然違うが、社会問題やその背景、理由自体は全く同じものがあり、これだと確信し、選択。(選んだトピック以外は論点がすぐに浮かばなかったり、そもそも問題自体知らないものだったりしました)
ちなみに、医療系のトピックで、延命関係(参考書の方)についてです。
スピーチ
延命に反対派で対策時に用意した意見を2つ(金銭的問題と倫理的観点)を言って(←というより、勝手にそれが口から出てきた)結論を言おうとしたところで2分経過。結論を話すよう促され、話してスピーチ終了。
途中で結構詰まりました。
Introductionではtwo / three reasons とは言わずにseveral / a couple of reasons というと理由の数に縛られないのでおすすめです。
質問
質問は5つも飛んできました。スピーチ関連が4つ、普遍的な一般論に対する考えを問うものが1つ。
問題自体をネットに上げていいのかという懸念もあるので、問題の性質、論点等を書きます。
質問は非常に聞き取りやすくて理解できました。それを可能にさせたのはリスニング力と問題背景等の知識、一般教養でした。個人的な主観ですがスピーキングに必要な能力はリスニング > ライティング(+トピックに関する背景知識) >> リーディングの順だと思います。
Q1:トピックにそのまんま関連した質問。トピックの問題を解決するには何が必要か、的なもの。
Q2-4:トピックとスピーチについて、例外状況や特定の難しい状況、正解の存在しない問題を持ち出して「こういう状況や立場ならあなたはどうする?」という問題。What if ~系やWhat would you do in case of ~的な問題。
スピーチではカバーしきれなかった論点、スピーチでの話題の詳しい説明、反例や例外状況、特定状況への対処方法などを問われました。
トピックが社会問題、複雑な問題と化していて、正解のない問題として議論されている理由や状況、背景に関連したところが(どの分野であっても)出るイメージです。
前置きや状況説明は面接委員の方もプロなので非常に詳しくしていただきました。
Q5:トピックとは違う話題だが同じジャンル(今回なら医療系)に関する質問。例えばですが、先進国は発展途上国を援助すべきか?的なやつ。
ライティングとスピーチで出る問題と同じようなことを聞かれ、簡潔に答えることが求められる感じでした。
解答の仕方
まず1文目で自分の意見や結論を話しました(鉄則)。その直後にその理由、根拠、具体例を1-3文くらいで話しました。あくまで質問「だけ」に対する応答と理由、根拠、具体例を墓穴を掘らない程度に話しました。
このやり方だと、足りない部分、カバーしきれない部分は相手から追加の質問、additional questionとして来ます。これにより相手との会話のキャッチボールが生まれ、面接がコミュニケーションと化しました。
その裏返しとして僕は全部で質問を多めに5問されました。
もちろん、このやり方が墓穴を掘らず論理構成などがやりやすいと思うか、または質問が多く聞き間違い等ミス率も上がると考えるかは人それぞれです。
全体的な印象、感想
英検の面接はあっという間に過ぎ去ります。
これほど10分間が濃密であっという間だったのは記憶にございません。その上その10分間は鮮明に覚えています。(特にどういう質問になんて答えて、面接委員の反応や感触、あとは自分自身の直感など)
また、退出の際に自己紹介で言ったことについて面接委員の方が言及していただきました。
直感ですが、「根拠はないけどたぶん受かったやつだ」と予感。(といっても受かっても(減点式で考えれば)ギリギリかなという感覚はありました)
2次試験結果
9日後、合格通知をインターネットで見ました。
Short Speech:8点
Interaction:9点
Grammer and vocabulary:7点
Pronunciation:7点
合計31点。(合格ラインは25/40)
1次試験がG1+1でしたが、2次試験(面接)はG1+2でした。
スピーチや途中の応答のつまり具合から、割とギリギリかなと思っていましたが、採点自体はそれほど厳しくないようです。減点式ではなく加点式に近く、よかった部分をしっかり評価する、というタイプの試験だと思います。
最後に
英検1級の面接はあっという間に過ぎ去りますが、その時間は非常に濃密です。
また、面接委員の方もプロです。
僕は英検準2級から1級の面接をすべて体験していずれも1発で合格していますが、英検の面接はよかった部分を評価するタイプの試験だと思います。
これから英検の面接を受験される方は、ミスや失敗を恐れず、引きずらず、楽しんで会話のキャッチボールをするつもりで行くといいと思います
また、面接の日時が近い人は、短期間で上達できることとして
・トピックや一般教養に対する論点、考え方、理由を抑えておくこと
・スピーチの論理組み立ての戦略を作っておくこと
がおすすめです。
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